転付命令(てんぷめいれい)
債務者の預金などを債権者へ直接的に移すのと同じ効果を生じる手続のこと。
債務者の財産に対する強制執行のひとつである。
実際に預金から債権を取り立てる一般的な手続としては債権差押がある。
仮に債務者Aが債権者Bから金銭を借りており、債権者Bが債務者AのC銀行の預金口座を差し押さえるものとしよう。
債権者Bはまず債務者Aの住所地を管轄する地方裁判所に、債権差押債権者Bが地方裁判所に債権差押命令の申立を行ない、裁判所がC銀行に対して、債権差押命令を郵送し、差押命令の送達から1週間が経過すると、債権者Bは、C銀行に対して預金を自己(B)に支払うように請求することが可能となる。
このような手続が債権差押である。
しかしこの債権差押では、C銀行は一定の事情(例えば他にも同じ預金を差し押さえた別の債権者Dがいるなどの事情)があるときは、C銀行は債権者Bに対して預金を支払うことができない。
このように債権差押では、目的とする預金から必ず満足を得られるとは限らないという不都合がある。
そこで、債権者Bは、債務者Aの預金を直接的に自己(B)に移すように求めることができる。
この手続を転付命令という。上記例では、債権者Bが裁判所に債権差押命令の申立を行なうと同時に、転付命令の申立を行なうことができる。
この転付命令がC銀行に送達されると、その時点から、預金そのものが債権者Bに移されたのと同じ効果が生じ、債権者Bは他の債権者に優先して、預金から返済を受けることができるようになる。
このように転付命令には、債権者が他の債権者に優先して満足を得ることができるというメリットがあるので、預金のように存在が確実な財産から債権を取り立てる場合には、転付命令を取得することが望ましいとされている。
転付命令には、債権者が他の債権者に優先して満足を得ることができるというメリットがある。
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